骨と筋肉、その周囲について勉強する。その1.頭部 前編

 一般に売られている教科書とは少し違った視点から、骨や筋肉、その周囲のことについて、思いつくままにつらつらと纏まりなく述べていきたいと思う。 骨について。 体幹(頭と手足を除く胴体の部分)に骨は沢山あるが、背骨や肋骨、肩甲骨、鎖骨、胸骨などは、ほとんどの人が名前と場所程度のことは知っていると思うので、一般の人にはあまりなじみがない骨や、解剖学を学ぶ上で重要だと思う部分を中心に紹介したい。 筋肉について。 必ずしも個々の名前を覚える必要はないので、それぞれの場所における筋肉の働きを理解し、ストレッチや筋トレ、損傷時の対処などを考える上で参考になるような解説をしていきたいと思う。 順番的には、やはり頭からだろう。 頭蓋骨は、解剖学的に見ると1つの骨ではなく、15種類(左右にあるものがあるので)23個の骨がくっついて出来ている。Yahoo!百科事典参照 大きく分けると、上の方で脳を収納している脳頭蓋と、顔面を構成する顔面頭蓋だ。 全てを覚える必要はないが、勉強なので一応名前を挙げておくと、 脳頭蓋が、前頭骨1個 頭頂骨2個 後頭骨1個 側頭骨2個 蝶形骨1個  5種類計7個 顔面頭蓋が、篩骨1個 鼻骨2個 涙骨2個 下鼻甲介2個 上顎骨2個 頬骨2個        口蓋骨2個 鋤骨1個 下顎骨1個 舌骨1個  10種類計16個  この両者は中で結構きっちり区切られていて、脳が顔面に落っこちてこないようになっている。 両者の間には神経や血管が通るための穴が開いているが、脳の続きである脊髄が通るのは、脳頭蓋の後頭骨からで、顔面頭蓋は通過しない。 医療系の学生は、眼窩を構成する骨は何か? 卵円孔を有する骨は何か? そこには何が通るか?などを試験で問われるので頑張って勉強してください。(ここでは触れない) 脳と脊髄は硬膜、軟膜、くも膜の3枚の袋状の脳膜に包まれ、その袋ごと頭蓋骨と椎骨の所定の位置に納まっている。 脳膜の中には髄液という水が入っていて、頭がぶつかったり揺さぶられても、脳が壊れないように工夫されていることから、脳と脊髄はよくパックに入った豆腐に例えられる。柔らかい脳が豆腐で、外のパックが脳膜だ。 この髄液が感染を起こすのが髄膜炎で、診断時は腰椎穿刺をするが、これは頭部から腰部まで繋がっている脳膜の中で、腰部が一番安全に針を刺せる場所だからだ。ここで抜いた液と同じ水に脳も包まれている。 脳や脊髄を守るために必要なことなのだが、その袋(脳膜)や外箱(頭蓋骨)は脳の本来のサイズに合わせて設計されているため、髄膜炎による浮腫や脳出血などで中の容量が増えると、逃げ場のない柔らかな脳本体が圧迫されて壊れてしまうことがある。(まだ頭蓋骨や骨膜に柔軟性のある赤ん坊の場合は、増えた水が頭蓋骨を押し広げ、頭の大きな赤ん坊、水頭症となる) 脳出血で問題なのは出血そのものではなく、出血して固まった血塊が脳を圧迫することなのだ。だから出血が判明したら、急いでその血液を除去しなければならない。(運良く自然に吸収されることもあるので、全ての症例で手術が必要なわけではない) お年寄りが転倒などで頭を打ち、直後は何でもないのに一週間、十日後に麻痺が起きたり、命を落とすようなことがあるのは、頭部への比較的弱い衝撃により、お年寄りのもろくなった血管に小さな亀裂が生じて、その場所がちょろちょろと出血を続けることで少しずつ塊を大きくしていき、血腫が遂には症状を発現する程の大きさに成長するからである。 そんなわけで、お年寄りが頭を打った場合、転倒直後のCTで異常がなくても、その後ろれつが回らなくなったり、スリッパやサンダルが脱げやすくなった、ボタンが上手く留められないなどの症状が出たら、急いでCTのあるような大きめの病院に連れて行こう。 頭蓋骨のトピックスと言えば…… 今紹介したように、頭蓋骨は沢山の骨で構成されていますが、大人になると特に脳頭蓋はまるっきり1つの骨のようですよね。 でも赤ちゃんは違います。 赤ちゃんが生まれてくるとき、頭が硬くて大きいと生まれるのが大変じゃないですか。なので赤ちゃんの頭蓋骨は、つなぎ目が完全にはくっついていなくて、柔軟性があるんです。 生まれたばかりの頃も、まだ頭蓋骨は完成していませんから、頭頂部の前の方に大泉門という大きめの穴があり、もう少し後ろには小泉門という小さな隙間があります。 鍼灸の学生になりそのことを知った私は、友人に子供が生まれ、病院にお見舞いに行ったとき、好奇心に勝てずに大泉門を触って確認し、「わー本当にぷにぷにしてるー」などと声を出してしまったがために、赤ちゃんの母である友人に嫌な顔をされたのを覚えています。 皆さんも身近に生まれたばかりの赤ちゃんがいたら、是非確認してみてください。もちろん、強く押したりしたらダメですよ。 長くなったので続きは後編で。

治療院アジアート

麻布十番商店街の、女性による女性のためのマッサージ鍼灸治療院です。 全身のマッサージを基本に、必要に応じて鍼灸を追加します。 どこか懐かしい古民家風の空間で、ゆったりとした時間をお過ごしください。 女性専用、個室、完全予約制、お着替えもご用意してあります。 2019年4月より、ご要望の多かった施術抜きの「カウンセリングのみ」のコース始めました。 ご予約時にご指定ください

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