骨について勉強する。骨の役割

 解剖学の教科書を久々に紐解いてみると、骨格系の始まりには骨の役割が書かれている。 運動器系を勉強するためには、まずはここから入るのがスジだろうと言うことで、教科書の記述を写してみたいと思います。
①支持:多くの骨の組み合わせによる骨格は、内蔵を支え、筋の付着する場を与え、身体の支柱をなす。②運動:可動性に富む関節が支点となり、付着する筋の収縮により、種種の運動が起こる。③保護:内臓諸器官を保護する。脳は頭蓋骨がつくる頭蓋腔に、脊髄は椎骨がつくる脊柱管に納められる。胸部内臓は胸郭により保護される。骨盤は膀胱や生殖器官を入れる。④電解質の貯蔵:カルシウム、リン、ナトリウム、カリウムなどの電解質は骨に蓄えられる。必要なときは骨から引き出されて、血流により送り出される。妊娠中、母親がカルシウムを十分摂取できないときは、母親の骨格系からカルシウムが失われ、胎児の骨の原料となる。⑤造血作用:骨は全体が硬い骨質で出来ているのではなく、中心は空洞になっている。この中心部は骨髄腔と呼ばれ、血管網が発達し、多量の血液を入れる。骨髄は細網内皮系に属し、赤血球、白血球。血小板などの血球が盛んに骨髄でつくられる。活発な造血機能を持つ骨髄は赤色骨髄と呼ばれる。年を取ると大腿骨などの大きな骨の骨髄での造血は止まり、脂肪組織に置き換えられて黄色骨髄となる。
 ①と②は正に骨格、骨組みとしての役割だ。 この骨格のお陰で、私たちは安定して立つことが出来るし、動くことが出来る。 骨格全体、そして個々の骨の形状、構造は私達の生活に適したものになっていることに注目しよう。 例えば手と足の骨の構成要素はほぼ同じだが、肘関節と膝関節では関節の形状が違っている。 手の平は肘から下の前腕部分の動きにより完全に上に向けることが出来るが、脚の場合は股関節の動きを借りなければ不可能だ。(詳しくは別の記事で) ③の保護、大切な臓器を守る鎧としての役割は、普段あまり考えることがないが、実は骨のとても重要な要素である。 もし頭蓋骨や背骨がなかったら、私達の脳や脊髄がどれほどの危険にさらされることになるか。考えるだけでも恐ろしいと思いませんか? ④の電解質の貯蔵だが、私達の身体活動、特に神経伝達については、電気の流れが必要になる。カルシウムやカリウムや塩素の化学記号の右肩にちょこんと乗っかっている小さな+とか−がとても重要なのだ。 電解質のバランスが極端に崩れると、心臓が痙攣したりしてとても困ったことが起きる。だから、非常事態に備え、どこかに予備の電解質を常備しておかなくてはいけない。 骨がこの役割を担うことになったのは、骨が強度を出すためにたまたまカルシウムを構成要素として多く含んでいたからであって、別に骨じゃなくても電解質を蓄えることは可能だ。 皮下脂肪組織は、備蓄用のエネルギーである脂肪を蓄えているが、皮下に脂肪細胞が少ない人は、肝臓などの内臓に脂肪を蓄えやすい(だから男性は内臓脂肪が付きやすい)のと同じで、骨には元々カルシウムなどの電解質が構成要素として多く含まれているので、電解質を蓄え易いのだろうと思う。 ⑤の造血作用は、骨髄移植の普及で一般にも知られるようになった機能だと思われる。 これは骨の役割と言うより、骨の中に納められた骨髄の機能と言うべきものだろう。別の言い方をすれば、私達のイメージする白くて硬い骨は、骨髄という造血器官の入れ物でもあるわけだ。 ①から③は解剖学的な要素。④と⑤は生理学的な役割である。

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