今の若者はかわいそう
私は、「いまの若者はかわいそうだな」と感じる事があります。
余りにも自由すぎて、恵まれ過ぎているために、かえって多くを失っているように思えるからです。
私たちの時代は、学校を卒業したら、就職するしかありませんでした。
別に、将来のことを真剣に考えていたわけでもなく、夢を持っているわけでもなく、他の選択肢がほとんどないから、誰もが当たり前のこととして、とにかく会社に入り、社会人になりました。
一度入社したら、女性の結婚退職でもない限り、簡単に仕事を辞めることは許されません。仕事が自分に合っていなかろうが、職場に嫌な人がいようが、我慢するのが当然。そのことに、何の疑いもありませんでした。
でも、我慢しているうちに自然と仕事を覚え、合っていないと思っていた仕事が自分のものになり、社会人として必要なことが身につき、いつの間にか、世間に認めてもらえるような、一人前の大人になれたように思います。
人間の根本的な部分では、今の若者と私たちに大差はないでしょう。でも私たちには、選択の余地がなかったがために、我慢を学び、経験を積み、多くを得ることができました。
私はニコニコ動画(日本版のYouTubeのような動画の共有サイトで、特徴として、視聴者が画面上にコメントを書き込めるシステムになっている)を見て驚くことが良く有ります。
私はいつもペットの動画ばかり見ているのですが、(ニコニコ動画では「ねこ鍋」が有名)例えば寝ている子猫に飼い主がちょっかいを出したりすると「かわいそうだ、寝かしてやれ」とか、飼い主がマニキュアのついた爪で撫でようものなら「ねこに毒だ、爪を切れ」などのコメントが書き込まれます。
「どんだけ過保護やねん。子猫なんて一日中寝てるんだから、ちょっかい出したっていいじゃねーか。マニキュアの手で撫でたくらいで、ねこは病気にならないから心配するな。」と言いたくなります。
いまの時代は、少しでもつらい事や、嫌なことは何でも避けるべきだと思われているのでしょうか?
「苦労は買ってでもしろ」という言葉があるとおり、適度な苦労や困難は人を育てるのには必要なもので、苦労を全くしないでは、まともな大人にはなれません。
仕事には、つまらない仕事や、苦痛な付き合い、我慢や苦労は付き物です。それを超えなければ、遣り甲斐や充実感、達成感などを得られるはずがありません。
我慢の後に、チャンスや成長が訪れるのであって、はじめから最後まで楽しいだけで、何かを得られることはめったにない。経験した人なら、誰でも知っていることです。
だからこそ、今の若者は、過保護すぎる周囲の環境によって、かえってそのチャンスを奪われているのかもしれない。私はそんな風に思うんです。
いまの環境の中で、きちんとした選択ができるのは、本当にしっかりした子だけです。結果として、若者間の格差がどんどん広がっています。
こう考えると、普通の子にとっては、ある程度の強制や選択肢の少なさが、その子を伸ばし、能力を引き出すための助けになる場合も多いのではないでしょうか。
でもそれは、親や教師が自分のやらせたいことをさせるのではなく、子供達が自分の力で考え、自分の責任の下で行動することが不可欠です。
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