自分を傷つけるのは自分
私は最近、「傷つく」ということがほとんどなくなってしまいました。
その一番の理由は、ほとんど人と接しない引きこもり生活?にあるのですが、もうひとつの理由は、私が「自分にも他人にも甘く、大抵のことは受け入れてしまうから」だと思うのです。
「傷つく」あるいは「傷つけられる」というと、まるで他者に攻撃された結果のように見えますが、ただ攻撃されただけなら、私は「ムカつく」あるいは「恐れる」「困る」という反応が正解なんじゃないかと考えるわけです。
それじゃあ、なぜ人は傷つくのでしょうか?
それは自分の中に、元々傷を持っていて、そこを刺激されるから痛いんじゃないかと思うんです。
自分の中にある傷とは、罪悪感やコンプレックス、不必要なプライドや虚栄心、過去の辛い記憶など、様々です。
それらと今、現在の出来事は、本当は何の関係もないし、全く別の問題なのですが、脳が勝手に両者を結び付けてしまい、現実の相手の言葉や行動とは直接関係のない分まで、傷が広がってしまうから、必要以上に痛いのではないでしょうか。
だから私は患者さんに、他人の心無い言葉に傷つく必要はない。そんなときはムカつくべきだと言っています。傷つくのは自分で自分を責めるからで、「嫌なヤツのために自分を傷つけるのはもったいないからよせ」と申し上げています。
一方、信じていた人から裏切られたとか、愛する人を傷つけてしまったとか、そんな悲しい出来事に関しては、逆に充分味わって、その後の人生に役立てればいいと思います。
私個人の経験で言えば、その手の傷は必ず、人生の肥やしになります。いや、肥やしなんて表現では申し訳ない。人生のなかで、何かを知ったり、魂が次のステップに進むための、大きなきっかけになっています。後から思えば、あの体験こそが必要だったと思えるような出来事です。
人間、追い詰められなければ、自分の人生に真剣に向き合えません。本当に大切なことがわかるのも追い詰められた時です。
だから無駄に傷つくのはやめましょう。
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