自律神経コントロールの仕組み
自律神経を直接コントロールすることは難しい。でも実際に、パニック障害の人たちは間違った方向にですが、自力でコントロールしています。いったいどうやっているのでしょう?
私達が直接コントロール可能なのは、自律神経ではなく感情です。シンドラーの書いた「心と身体の法則」にも書かれているように、身体的変化を起こさない感情は無いのです。
悲しくて、あるいは感動して涙が出る。激怒して声や手がふるえる。不愉快なものを見て吐き気がする。どれも感情の動きに伴って、自律神経が変化した結果です。
瞑想やヨガ、自律神経訓練法なども、呼吸や身体の動き、暗示やイメージに意識を向け、自律神経が最も穏やかな状態になるよう、心を導くのが目的です。
プラシーボ(あるいはプラセボ)効果をご存知ですか?日本語にすると偽薬効果。
何の薬理作用もない錠剤などを、患者によく効く薬だと言って与えると、痛みが和らいだり、実際に血圧や血糖値などが変動します。面白いことに、効果だけではなく、吐き気などの副作用を誘発することもあるんです。
その有効率は、30%から40%。その効果を左右するのは、それを与えた医師と患者の信頼関係であったり、新薬の臨床試験などの場合には、新薬の評判だったりするんです。
新薬の臨床試験では、新薬の本当の効果を調べるために、二重盲検が行なわれます。(最近はプラセボは使われないこともあるらしい)これは新薬、同じような効果の従来薬、偽薬を用い、患者のみならず医師の側にも、どの患者がどの薬を試しているのか知らされません。
医師がこの患者は新薬で、この人は偽薬でと思ってしまうと、患者にそれを言葉で伝えなくても、効果に差が出てしまうためです。
これは私にも経験があります。どんなに難しい症状の患者でも、これは治せるなと私が思っていると、かなりの率で本当に治ります。
心理学の実験でも、小学校の先生に、ランダムに選んだ生徒を、IQが高くて優秀だと伝えておいただけで、その子供達の1年後の学力の伸びは、他の生徒達より、明らかに大きかったそうです。本人のみならず、周囲の期待だけでも、目に見えた差がでるんです。
医学が進歩する以前、病気はシャーマンが治していました。仰々しい雰囲気。奇跡を起こすシャーマンの評判、もちろん本人の信じる力。周囲の期待。そんなものがあれば、自己治癒力が急激に高まり、どんな病気でも治せる可能性がでてきます。良いシャーマンは、プラセボ効果を最大限に引き出せる、本当の名医なのです。
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