自律神経あるいは潜在意識のコントロール

以前たけしの番組に、プロ野球のロッテやNYメッツでトレーナーをしていた立花さんが出演され、興味深いお話をされていました。
まず視聴者に象の写真を見せます。そして、「これから3分間、象のことは一切考えないでください」と指示します。
どうですか?象の写真を見ていなくても、象のことを考えてしまいそうでしょう?
これに対したけしは、「俺はトラのことを一生懸命考えてた」と答えていました。そう、これが正解です。人は考えるなといわれると考えてしまうので、他のことに集中する以外にない。
立花さんによると、野球の試合の時、監督やコーチが「高めの球は捨てていけ、手を出すな」なんて指示を出すと、選手は高めの球に手を出して空振りしたり凡打したりしやすいそうです。
そこで有効な指示は「低めを狙っていけ」
これだと選手は高めには手を出さず、ちゃんと低めの球を打とうとする。これが人間の心理というか、潜在意識のトリックなんです。
私の思うに、潜在意識はばか正直なので、言葉を素直に聞いてしまいます。善悪や正誤の区別はしません。クオリア、表在意識は当然区別するんですが、潜在意識は生存に関わる脳の働きなんで、(咄嗟のときや危険な時は特に)表在意識より優先順位が高い。だから無意識の部分で、自然に印象的な言葉である「象」や「高めの球」に反応してしまうのではないでしょうか。
自然には逆らえない。だとしたら、潜在意識及び表在意識に、別のメッセージを入力して注意を外に向けるしかありません。それが「トラ」であり「低め」なわけです。
強迫性障害などを抱える人達は、元々厳格な性格のため、やらねばならない、こうなるに違いないなどの思い込みが強く、思ったことは「どーしようかなー」ではなく「さあやろう。どんどん済ませてしまおう」みたいなところがありますよね。
ぐうたらな人よりも、日々多くの事をこなしているので、自動的に行動する潜在意識の回路が強力な可能性もあります。
ですから、なるべく自動的にやらず、自分の行為に意識を向けて行動しましょう。確認しに行くのではなく、はじめの行為を意識的に行なう。なるべく自動的には動かない。
自分の潜在意識、あるいは妄想が暴走しそうになったら、それをひっつかまえて落ち着かせる必要があります。
でも打ち消そうとするとどんどん強くなる。象の例で確認したように、この傾向は一般の人でもありますが、強迫性障害の人やパニック障害の人たちはさらに強固です。以前にお話したように、これらの妄想?は危険の回路に繋がっているため、簡単に回避できないようなシステムになっているからです。
でもそれは妄想です。自分でも気がついているはずです。どうせならストーリーに仕立ててみるなんていかがでしょう?

治療院アジアート

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