腰痛の原因は骨盤や骨の歪み?
骨の変形=痛みではない
椎間板ヘルニアのような軟部組織の物理的な変化や、脊椎の骨折などがあっても、手術しなければ痛みが治まらないようなものは少なくて、安静にして、ある程度の時間が経過すれば、骨の変形などが残っても、痛み自体は治まってくるのが普通です。
痛みの多くは炎症
腰の曲がったお年寄りが必ずしも腰の痛みを訴えないように、レントゲンなどで見た時骨の隙間が狭くなっていたり、恒常的に軽度の神経圧迫があっても、炎症さえ起こしていなければ激しい痛みを起こすことは滅多にありません。
ですから、腰痛時に整形外科でレントゲンを撮って異常が認められたとしても、それが現在の痛みの直接的な原因とは限らず、患者を診ることより、検査結果を見ることに意識を向けている医師の診断内容と、患者さんの臨床症状が全く一致しないことも珍しくありません。
左右の使い方が均等な人などいない
整体のようなところでは、骨盤のゆがみ、足の長さの違いなどがあらゆる体のトラブルの原因かのように歌っているところもあるようですが、私の思うに、普通に生活している大人で、左右の体の使い方が均等な人などいるでしょうか?
誰にでも利き手や利き脚があって、筋力に左右差があります。
足の長さや肩の位置など、多少はゆがんでいるのが普通だと思うし、身体としては、その方が使いやすいから歪んでいる部分もあるかもしれません。
私自身も軽い脊柱の側弯が有り、足の長さが左右でかなり違いますが、40を過ぎてからいきなりジョギングを始めたせいでヘルニアになるまでは腰痛知らずでした。
医学書には、骨盤の歪みが原因の腰痛など記載されていませんし、歪みと痛みの因果関係を証明する研究成果などは今のところありません。
もちろん姿勢の美しさや、変形予防の観点からも歪んでいないに越したことはありません。
ただし、若い人の体の歪みは、筋力の不均等や、生まれながらの骨格に起因するものなので、もし本当に歪みを治そうとすれば、整体で位置を修正するのではなく(すぐ戻ってしまうので)筋トレで筋肉バランスを変え、小まめなストレッチでバランスをとることが必須です。
年を取ってからの関節の変形や、椎間板の水分の減少、背骨が潰れてくることなどで、起きる体の歪みは、腰や膝などの痛みを起こしますが、それは関節がすり減ってささくれだち骨膜や神経を擦ったり、骨が変形して動きが悪くなったり、筋肉の柔軟性や力がなくなり、血流も悪く回復力が落ちてくるなどの理由によるもので、整体師が言うような種類の骨のゆがみとは別のものです。
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