試験の結果(自分が試されるとき)
試験シーズンですね。受験はもちろん、期末試験や卒業試験、資格試験。既に終えた人たちもいるでしょうし、もう一踏ん張りが必要な方もいらっしゃるでしょう。就職試験やオーディションなども含め、どんな試験にも、必ず結果がつきまといます。それまで、その試験を超えるために多大な努力をしてきた場合、遊びや趣味の時間を犠牲にして勉強に打ち込んできたような人は特に、結果が全てだと思ってしまいがちです。試験の結果こそが、自分の運命を決める。これから試験を受ける人は、合格すれば人生の成功者、失敗したら人生終わり、そんな風に感じているかもしれません。でも実際は、そうではないと思うのです。先日、司法試験を目指している患者さんがみえました。彼女は毎日12時間も勉強しているそうです。とはいえ、司法試験と言えば、国内では最も難しい資格試験。最大限努力しても、個人的には完璧と言えるほどに勉強しても、合格できるとは限りません。合格率が1割だとすると、合格してもおかしくない実力のある人が2-3割はいると思います。最終的な合否の決め手は運頼み。神のみぞ知ると言ったところではないでしょうか?普通に勉強していれば合格した試験を、自分がサボったために落ちてしまったとか、試験当日に寝坊してしまったとか、明らかに自分が悪い場合は別にして、そこそこベストを尽くしたのなら、良い結果が出なかったとしても、それを挫折と考える必要はありません。先ほどの例で考えてみましょう。司法試験を受ける人は、合格して弁護士資格を取りさえすれば、もうそれだけで、自分が何者かになれるような気がするはずです。でも現実は、弁護士にさえなれば人から尊敬され、確実にお金持ちになれると言うわけではなくて、試験に落ちて実業家になったお陰で大成功するかもしれないし、弁護士になったばかりにヤクザに脅されて怯えて生きなければならないかもしれない。本当に大切なこと、自分が試されるのは、試験そのものではなく、その結果や自分に与えられた環境をどう生かすか。そこからどう生きるかではないでしょうか。どんな結果が出ようと、人生の成否は全て、そこから先の生き方にかかっているのです。人は、自分が持たないものに嘆いたり、ないものを求め続けるばかりでは、いつまでたっても幸せにはなれません。試験の結果が出たら、悪い結果を嘆いてヤケになったり、良い結果に慢心している場合ではなくて、そこから自分が何を受け取り、どう進むのかを考えたいものです。
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