マッサージのコツ
どうすれば、上手なマッサージが出来るでしょうか? 今日は誰でも出来るマッサージ(厳密には指圧)の基本を説明したいと思います。 まず意識して欲しいことは、 1.皮膚面に対して垂直に押すということ 2.力ではなく体重移動で押すことです。 うつ伏せの人を横から見てもらうとわかりますが、人の背中には傾斜があります。 肩から肩甲骨辺りの部分が高くなっていて、腰の部分は低くなり、お尻はまた上がっています。 ですから、何も意識しないでなんとなく押してしまうと、傾斜によって押している手が滑り、皮膚を下に引っ張るようなかっこうになってしまいます。 これだと、せっかく一生懸命押しても力が伝わらないし、皮膚が引っ張られることで痛みや炎症の原因になります。 ですから、傾斜のある部分を押すときは、かなり意識して皮膚に垂直に力が伝わるように、腕の角度などを調整しなければなりません。 寝ている人の左側から背中を押すとしたら、自分の身体を右に倒して、左斜め下に押す感じです。 とはいえ、これだと自分の体勢が苦しいので、ちょっとしたテクニックをお教えしましょう。 私の場合は、右足を立て膝でベッドに乗せ、膝の内側に軽く曲げた右肘を当てます。膝で肘を押さえて、体重をかけるようにすると、楽に体重がかけられ、背中に対して真っ直ぐな圧を入れることが出来ます。
押すときは、指の力ではなく、体重をかけたり引いたりすることで圧をかけます。 相手の身体に自分をもたれ掛からせる感じです。 体重移動で押すとは、圧をかけたとき、その手を相手の身体から離すことが出来ない状態です。 壁に手をついて、身体を任せたとき、壁が倒れたら自分も倒れてしまいますよね。でも、体重を移動せずに手だけで押せば、壁だけ倒して自分は倒れません。 腕力は、押すために最適な腕や指の角度を確保し、自分の体重を支えるためにだけ使ってください。 指の力で押してしまうと、押す方はすぐ疲れてしまうし、押される側からしても、圧の強さが一定しないので、不安を感じます。 それから、 3.指を立てないこと。 親指で押す場合は、指先ではなく指の腹、指の内側全体を皮膚に当てるくらいの気持ちで、なるべく広い面積で押すようにしましょう。 指を立てて押すと、ただ痛いだけで、身体はかえって緊張して硬くなってしまい、筋肉を弛めることが出来なくなります。当たりが優しい方が、実は深く圧を入れることが可能で、効かせることが出来るんです。 その時は、親指以外の4本も皮膚に広く当たるようにします。その方が押す人の姿勢も安定するし、押されている側も心地良く安心です。 体重がかかってない指先が中途半端に身体に触れているとくすぐったかったり、不愉快だったりするので、親指だけでなく、他の指も、指先ではなく指全体に圧をかけるようにしましょう。がしっと押さえた方が指先だけ触れるよりくすぐったくありません。
そして最も大切なことは、 4.相手の身体を感じ取ると言うことです。 手のひらで押すときは、手の付け根の部分、親指で押すときは親指の腹に神経を集中させましょう。 神経を集中して押すと、相手がどう感じているのか、どこが硬くなっているのかがわかります。 それを感じ取ろうとすれば、当然押される人の体調もわかるし、自然と丁寧な押方になります。 私が学生や整体師さんなどに指圧を教えるとき、強調するのは「アウトプットより、インプットを重視しろ」と言うことです。 このラインを押そうとか、こんな手技を使おうとか考えていると、自分勝手なマッサージになってしまい、患者さんのことが何もわかりません。 患者さんの身体を感じながら、愛情を持って押せば、技術はそこそこでも気持ちの良いマッサージになるはずです。 自分で器具や箪笥の角で凝りを押すときも、凝りの部分をじっくり押すと気持ち良いですよね? 何となくその辺を押すんじゃなくて、硬くなっているところを丁寧にじっくり押しましょう。
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